よくある質問50選|法人調査の疑問にすべて答えます
法人からの調査のご依頼を検討される際によくいただく「費用は」「違法にならないか」「気づかれないか」「どんな記録が残せるのか」といった疑問を、5つのカテゴリ・50項目に整理してお答えします。
個別事案での調査の可否や、得られた記録が処分や手続きで使えるかは、事案の内容と証拠によって異なるため、最終判断は弁護士に確認してください。
費用に関するFAQ(Q1〜Q10)
Q1. 調査費用の相場はどのくらいですか?
事案の種類・調査の日数・調査員の人数によって大きく変わります。目安として、1日の行動調査で5万〜15万円程度、複数日にわたる場合は20万〜80万円程度、PC1台の解析で20万〜50万円程度とされています。
依頼先によっても幅があるため、見積もりで確認してください。
Q2. 無料相談だけして、依頼しなかった場合に費用はかかりますか?
かかりません。初回の相談は、状況をお聞きして調査の方向性と費用の目安をご説明する場です。
相談のあとに見積もりをご確認いただき、依頼するかどうかをお決めください。
Q3. 費用の見積もりはいつ確定しますか?
相談の内容をもとに、書面で見積書をお出しします。内容にご同意いただいたうえで契約となります。
探偵業では、契約の前に重要事項の説明を行い、契約時に書面をお渡しすることが定められています。
Q4. 費用の上限を設定することはできますか?
上限を決めた契約ができるかは、依頼先によって異なります。予算をあらかじめお伝えいただければ、その範囲でどこまでできるかをご説明します。
上限を設けられない場合は、延長や追加の条件を書面で確認してください。
Q5. 調査が長引いた場合、費用はどうなりますか?
時間や日数で料金が決まる契約の場合、期間が延びると費用も増えます。
上限を決めた契約であれば、その範囲を超える費用が自動的に発生することはありません。契約の前に、延長が必要になったときの取り扱いを確認してください。
Q6. 調査費用を加害者(社員)に請求することはできますか?
認められる場合があります。不正行為と調査費用の発生との間に相当な因果関係があると認められれば、損害の一部として請求できることがあります。
全額が認められるとは限りません。契約書に調査の目的を記載し、領収書を保管しておくと、請求の根拠を説明しやすくなります。
Q7. 調査費用は会社の経費として計上できますか?
業務に関連する支出として経費に計上できる場合がありますが、税務上の扱いは状況によって異なります。
調査の目的と内容の記録、契約書や領収書を保管したうえで、税理士に確認してください。
Q8. 成功報酬型の料金体系はありますか?
成功報酬を取り入れている会社もあります。その場合は、何をもって成功とするのか、成功したときの金額がいくらになるのかを、契約の前に書面で確認してください。
成功時の報酬が高めに設定されていることもあります。
Q9. 複数の調査を同時に依頼した場合、費用はどうなりますか?
調査の内容・対象者の人数・期間によって変わります。
まとめてご相談いただくことで、進め方を整理しやすくなります。初回のご相談時に全体の状況をお伝えください。
Q10. 支払い方法・時期はいつですか?
契約時に着手金、報告書の受け取り時に残金という形が多くありますが、会社によって異なります。
支払いの条件は契約書に記載されますので、契約の前にご確認ください。
詳細:不正調査の費用相場まとめ|ケース別料金シミュレーション
適法性に関するFAQ(Q11〜Q20)
Q11. 調査会社に依頼することは合法ですか?
探偵業法にもとづく届出をした会社が、公道や公共の場で行動を確認することは、法律の範囲内の調査とされています。
一方で、盗聴・不法侵入・私有車への無断のGPS設置などは行えません。依頼の前に、届出の番号を確認してください。
Q12. 従業員の行動を調べることはプライバシーの侵害になりますか?
公道や公共の場での確認は、私生活に過度に立ち入らない範囲であれば、問題になりにくいとされています。
自宅内の様子を撮影する、私有車に無断でGPSを取り付けるといった行為は行えません。業務用の機器の確認は、就業規則などで定め、周知していることが前提とされています。
Q13. 調査の依頼者(会社)に法的責任は生じますか?
調査会社が違法な方法をとった場合、依頼者がそれを知りながら指示や容認をしていたときは、責任を問われることがあります。
契約書で、適法な方法に限ることを確認しておいてください。
Q14. 従業員の業務用PCのメールを確認することはできますか?
就業規則などに、業務上の必要がある場合に業務用の機器を確認することがある旨を定め、従業員に周知していることが前提とされています。
定めや周知がないまま確認すると、あとで問題になることがあります。
Q15. 社用車にGPSを設置して位置を把握することは合法ですか?
会社の車への設置は、規程での定めと運転する人への周知、業務上の目的、勤務時間内の利用といった条件を満たしているかが問われます。
従業員の私有車への無断の設置は、ストーカー規制法に触れるおそれがあるとされています。
Q16. 調査で得た記録を社員の懲戒処分に使うことはできますか?
適法な方法で得た記録は、処分を検討する際の資料になります。懲戒処分には、就業規則の定めと周知、弁明の機会、処分の重さの釣り合いが前提とされています。
取得の経緯に問題がある記録は、手続きの中でその扱いが争われることがあります。処分の前に弁護士に確認してください。
Q17. 退職した元社員を調査対象にすることはできますか?
公道や公共の場での確認は、在職中か退職後かを問わず行えます。
ただし、調べた内容をどう使うかは、競業避止の合意が有効か、情報が秘密として管理されていたかなどによって変わります。
Q18. 調査でやってはいけないことは何ですか?
他人の会話を無断で録音すること、他人の敷地に無断で立ち入ること、私有地の中を無断で撮影すること、私有車に無断でGPSを取り付けること、従業員の私物スマートフォンに無断でアクセスすることなどは行えません。
これらの方法を提案する会社には依頼しないでください。依頼者の責任が問われることもあります。
Q19. フォレンジック調査は合法ですか?
会社が貸与した業務用の機器の解析は、就業規則などでの定めと周知を前提に行えるとされています。
従業員の私物の機器は、本人の同意がなければ調べられません。
Q20. 覆面調査(ミステリーショッパー)は違法ですか?
一般の客として店舗を訪れ、サービスを利用しながら確認する方法で、広く行われています。
加盟店を対象にする場合は、契約書に品質の確認を行う旨を定めておくと、後の行き違いを防げます。
詳細:探偵業法とは?合法的な調査の範囲と依頼者の責任をわかりやすく解説
調査内容に関するFAQ(Q21〜Q35)
Q21. 行動調査で何が確認できますか?
公道や公共の場での移動先、立ち寄り先、接触した相手、その時間を、写真や記録として残せます。
勤務時間中にどこにいたか、競合他社に出入りしているか、元の取引先を訪問しているかといった事実の確認に使われます。
Q22. フォレンジック調査で削除したデータを復元できますか?
削除したファイルでも、新しいデータで上書きされるまでは復元できることがあります。
時間が経つほど上書きが進むため、疑いが生じた段階で早めにご相談ください。必ず復元できるとは限りません。
Q23. 社員が横領した記録を集めることはできますか?
会計システムの操作の記録、メールの記録、外部への送信の記録、削除されたデータの復元などから、事実を裏づける資料を集められることがあります。
社内に残る帳票の確認とあわせて進めると、説明しやすくなります。
Q24. 情報漏洩の経路を特定できますか?
USB接続の記録、メールの転送、クラウドへのアップロード、ファイルの操作の記録などから、いつ、どの情報が持ち出されたかを確認できることがあります。
記録が残っていない場合や、上書きされている場合は、確認できないこともあります。
Q25. 退職者が顧客を引き抜いている実態を調査できますか?
元の取引先を訪問している、競合他社に出入りしているといった事実は、行動調査で記録できます。
ただし、訪問の記録だけでは、名刺や記憶によるものか、持ち出した情報によるものかを区別できません。社内に残る持ち出しの記録とあわせて確認してください。
Q26. 副業の実態を調査できますか?
勤務時間中に別の場所で働いているといった事実は、行動調査で記録できます。公開されている情報の確認と組み合わせることもあります。
副業そのものは本来自由とされており、問題になるのは、許可を得ていない場合や、勤務に支障が出ている場合などです。就業規則の定めを確認してください。
Q27. 社用車の私的な利用の実態を調査できますか?
業務時間外の使用場所や使用の状況を、行動調査で記録できます。
GPSを使う場合は、規程での定めと周知が前提とされています。
Q28. ハラスメントの事実確認を調査会社に依頼できますか?
ハラスメントの事実確認は、社内での聞き取りやメールなどの記録の確認が中心になります。
勤務時間外の接触の有無など、社外での事実については行動調査で確認できる場合があります。社内での確認とあわせて進めてください。
Q29. 複数の社員を同時に調査することはできますか?
対象者が増えると調査員の人数も増えるため、費用も変わります。
同時に進めるかどうかも含めて、初回のご相談時に対象者の人数と状況をお伝えください。
Q30. フランチャイズ加盟店の売上の隠蔽を調査できますか?
覆面調査でのレジの処理の確認、来客数と売上の報告の照合などで、状況を確認できる場合があります。
本部がどこまでデータを確認できるかは、加盟店との契約の内容によります。あわせてご確認ください。
Q31. 役員・経営幹部の不正を調査できますか?
行動の確認や、取引先との関係の確認などで対応できる場合があります。
役員が対象の場合は、社内だけで独立した調査を行うことが難しいため、外部の弁護士が中心になって進めることが一般的です。
Q32. 調査できないことはありますか?
私有地に立ち入る調査、他人の会話の無断の録音、自宅内の様子の確認、本人の同意のない私物のスマートフォンの解析などは行えません。
また、完全に消去されたデータや暗号化されたデータの復元は、難しい場合があります。
Q33. 調査の対象が海外にいる場合でも対応できますか?
国内での調査が中心です。海外の案件は、現地の法律・言語・費用の面で対応できる範囲が限られます。
ご相談いただければ、対応できるかどうかをお伝えします。
Q34. スマートフォンの通話の記録や位置情報を調べられますか?
会社が貸与した業務用のスマートフォンであれば、就業規則などでの定めと周知を前提に、端末に残る記録を確認できる場合があります。
従業員の私物のスマートフォンは、本人の同意がなければ調べられません。通信の内容そのものを取得することもできません。
Q35. 調査の結果、何も確認できないこともありますか?
あります。調査をしても、疑っていた事実が確認できないことがあります。この場合も、疑いを確認した記録が残るという意味があります。
結果が出なかった場合の費用の取り扱いについて、契約の前に確認しておいてください。
詳細:法人向け行動調査とは?対象者別の調査内容・報告書の使い方を具体的に解説
詳細:デジタルフォレンジックとは?企業の不正調査で使われる技術と活用場面
自社のケースで聞いてみたいという段階でも、状況をお聞きしたうえでご説明します。
秘密保持に関するFAQ(Q36〜Q43)
Q36. 調査会社に相談した内容が外部に漏れることはありませんか?
探偵業では、業務上知り得た秘密を漏らしてはならないことが定められています。契約書に秘密保持の条項があるかを確認したうえで依頼してください。
書面での取り決めがない会社は避けてください。
Q37. 調査が対象の社員に気づかれることはありますか?
調査は、周囲から不自然に見えない形で行いますが、気づかれないことを保証できるものではありません。
社内から話が伝わって気づかれることもあります。調査を知る人は最小限にとどめてください。
Q38. 社内の誰にも知られずに調査を依頼できますか?
できます。対象者が上位の立場である場合や、ほかに関わっている人がいる可能性がある場合は、窓口を絞ることが記録の保全につながります。
Q39. 調査のあとに対象の社員に知られた場合、問題になりますか?
適法な方法で行った調査であれば、知られたこと自体が問題になるものではありません。
ただし、処分や手続きの前に知られると、記録を消される、口裏を合わせられるといったことが起こり得ます。調査の完了、記録の保全、弁護士への相談という順序で進めてください。
Q40. 調査の内容を役員に共有する必要はありますか?
共有する範囲は、事案の性質によって決めます。
対象が役員である場合や、ほかに関わっている人がいる可能性がある場合は、代表者と弁護士など、最小限に限ることが記録の保全につながります。
Q41. 調査報告書は裁判や労働審判で使えますか?
適法な方法で行い、日時や場所がわかる形で記録された報告書は、資料として提出できます。
提出した資料がどこまで評価されるかは、裁判所の判断によります。報告書だけで結論が決まるものではありません。
Q42. 調査会社との契約の内容が第三者に開示されることはありますか?
依頼者の同意なく第三者に開示することはありません。
法的な手続きの中で開示が必要になる場合は、弁護士と対応を相談してください。
Q43. 調査が終わったあと、集めた情報や写真はどう扱われますか?
報告書としてお渡ししたあとの保管期間や廃棄の方法は、契約書で確認してください。
手続きで使う可能性がある資料は、必要な期間を見込んで保管しておく必要があります。
報告書・その後に関するFAQ(Q44〜Q50)
Q44. 報告書はいつ受け取れますか?
1日の行動調査であれば、調査の完了後、数営業日から10営業日程度が目安です。機器の解析を伴う場合は1〜2週間程度、対象が複数ある場合はさらにかかることもあります。
期限がある場合は、ご相談のときにお伝えください。
Q45. 報告書に記載されない情報はありますか?
報告書には、確認できた事実を記載します。調査員の推測や未確認の情報は、事実と区別して扱います。
処分や手続きで使うことを考えると、推測を混ぜない記載が重要になります。
Q46. 報告書を受け取ったあと、弁護士に相談する必要はありますか?
処分や損害賠償、刑事告訴、差止めの申立てを検討する場合は、報告書を弁護士に確認してもらってください。
記録が十分か、どの手続きに使えるかという判断は、弁護士が行う領域です。
Q47. 報告書の内容に疑問がある場合はどうすればよいですか?
報告書を受け取ったあとに、担当者へご質問いただけます。写真の状況やその時間帯の記録など、気になる点はそのままにせず、弁護士に相談する前に解消してください。
Q48. 一度の調査で記録が十分に取れなかった場合、追加の調査はできますか?
できます。何が足りないかを弁護士と確認したうえで、追加の調査を検討します。
追加の調査の費用は、別途お見積もりとなります。
Q49. 調査のあと、継続して確認してもらうことはできますか?
再発の確認など、継続しての対応が必要な場合は、別途ご相談ください。
必要な範囲と期間を決めたうえで、進め方をご提案します。
Q50. 調査が終わったあと、調査会社との関係はどうなりますか?
報告書のお渡しで、基本的な業務は完了です。
その後の手続きで記録についての説明が必要になった場合は、ご相談ください。対応できる範囲をご説明します。
詳細:弁護士と調査会社の連携|法的手続きを見据えた調査の進め方
まとめ

費用・適法性・調査の内容・秘密保持・報告書の使い方について、50の質問にお答えしました。依頼の前の不安の多くは、流れが見えないこと、法律の面が心配なこと、費用がわからないことから生まれています。
- 費用:事案によって幅がある。上限を決められるか、延長の条件はどうかを契約の前に確認する
- 適法性:公道や公共の場での確認、規程で定め周知された業務用機器の確認が前提。盗聴・不法侵入・私物への無断アクセスは行えない
- 調査の内容:行動調査・デジタルの記録の解析・覆面調査・信用調査を、事案に応じて組み合わせる
- 秘密保持:契約書で秘密保持の条項を確認する。社内で調査を知る人は最小限にする
- 報告書:受け取ったら弁護士に確認し、処分・差止め・損害賠償・刑事告訴のどれを検討するかを決める
この記事で解消できない疑問や、自社のケースについては、個別にお答えします。
