調査依頼の流れを完全解説|相談から報告書受領まで
「調査会社に依頼したことがなく、どんな流れで進むのかがわからない」
「相談したら、その場で契約を迫られたり、勝手に調査が始まったりしないか心配だ」
「依頼してから報告書が届くまで、どのくらいかかるのかを知りたい」
調査会社への依頼を初めて検討するときの不安の多くは、流れがわからないことから生まれます。どのような順番で進み、何を決めるのか、費用がいつ決まるのかを知っておくと、相談しやすくなります。
本記事では、無料相談から契約・調査・報告書の受け取り、その後の手続きまでの流れを、依頼する側の視点で整理します。
個別事案で、どの調査が必要か、報告書が手続きで使えるかは、事案の内容と証拠によって異なるため、最終判断は弁護士に確認してください。
依頼の全体フロー

調査の依頼は、大きく5つの段階に分かれます。各段階で何を決めるのか、依頼する側が何をするのかを把握しておくと、進めやすくなります。
| 段階 | 期間の目安 | 主な内容 | 依頼者がすること |
|---|---|---|---|
| ① 無料相談 | 当日〜数日 | 状況の聞き取り・調査の方向性の確認・費用の目安の説明 | 状況の概要を伝える・質問をまとめておく |
| ② 契約・設計 | 1〜3日 | 見積もりの確認・契約の締結・調査内容の確認 | 見積書を確認する・不明点を聞く・秘密保持の条項を確認する |
| ③ 調査の実施 | 事案による(1日〜数週間) | 行動調査・覆面調査などの実施 | 追加の情報の提供・連絡への対応・中間の報告の確認 |
| ④ 報告書の受け取り | 調査の完了後、数営業日 | 報告書の作成・内容の確認 | 報告書の内容を弁護士と確認する・次の対応を決める |
| ⑤ その後の手続き | 状況に応じて | 懲戒処分・差止めの申立て・損害賠償・刑事告訴の検討 | 弁護士と方針を決める・追加の調査が必要かを判断する |
相談したその場で契約になることはありません。無料相談は、状況を聞いたうえで、調査の方向性と費用の目安を確認する場です。相談のあとに見積もりを確認し、依頼するかどうかを決めていただきます。
無料相談で決まること
無料相談は、調査会社が自社に合うかを見るための場であり、調査の方向性を決める最初の段階でもあります。何が決まり、何はまだ決まらないのかを知っておくと、相談の時間を有効に使えます。
相談で伝えるべき5つの情報
- 状況の概要(何が起きているか、何が疑われているか)
- 調査の目的(事実を確認したいのか、処分を検討しているのか、手続きを見据えているのか)
- 対象者の概要(立場、勤務の形、行動の範囲)
- 急ぐ事情があるか(記録が消えるおそれ、処分や手続きの期限)
- 予算の上限(大まかな範囲でよい)
無料相談で確認されること
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 調査した資料の使い道 | 得られた記録を何に使うかによって、調査の進め方が変わる |
| 調査の方法 | 行動調査・覆面調査・社内の記録の照合などから、事案に合う方法を提案する |
| 費用の目安 | 日数・調査員の人数・方法をもとに、概算を伝える(この段階では目安) |
| 日程 | 着手できる時期・調査の期間・報告書ができる時期の目安を確認する |
| 弁護士との関係 | すでに弁護士が関わっているか、調査のあとの手続きまで相談できるか |
相談時に確認すべき質問
- 探偵業の届出の番号
- 法人からの依頼(不正の調査、情報の持ち出し、競業行為など)を扱った実績
- 処分や手続きの場面で使われた報告書を作成した経験
- 見積もりを書面で出してもらえるか。費用の上限を決められるか
- 弁護士と連携して進められるか
- 秘密保持が契約書に書かれているか
無料相談は複数の会社で受けられることが多くあります。同じ状況を2〜3社に伝えて回答を比べると、説明の具体性や対応の違いがわかります。納得できる1社に絞ってから契約に進んでください。
契約と調査設計
依頼する会社を決めたら、見積もりの確認、契約、調査内容の確認という順に進みます。ここでの確認が、費用の行き違いや方向性のずれを防ぎます。
見積書で確認すべき項目

| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 調査の内容 | 何日間、何名の調査員で、どのような方法で行うかが書かれているか |
| 費用の内訳 | 調査の費用・経費(交通費や宿泊費)・報告書の作成費用の内訳がわかるか |
| 費用の上限 | 上限が書かれているか。実費の精算だけで上限がない場合は、条件をよく確認する |
| 追加費用の条件 | 調査の延長、遠方での調査、調査員の増員などで費用が増える条件が書かれているか |
| 報告書 | 報告書の形式と、受け取れる時期が書かれているか |
| 成功報酬の条件 | 成功報酬がある場合、何をもって成功とするのか、その際の金額が書面で示されているか |
契約書で確認すべき条項
- 秘密保持:調査の内容や依頼者・対象者の情報が外部に出ないことが書かれているか
- 調査の方法:適法な範囲で行うことが書かれているか
- 報告書などの取り扱い:報告書・写真・映像を依頼者が使えるか
- 途中で中止する場合:中止できるか、その際の費用の精算の方法
- 責任の範囲:調査会社と依頼者それぞれの責任の範囲
口頭だけの約束は、あとから行き違いになりがちです。費用の上限、調査の内容、成功報酬の条件、中止の条件は、見積書や契約書で確認してください。なお、探偵業では、契約の前に重要事項の説明を受け、契約時に書面を受け取ることが定められています。
調査設計の詳細確認
契約のあと、いつ・どこで・誰を・何のために調査するかを担当者と確認します。この段階で、どの記録が必要かを具体的に伝えておくと、報告書が使いやすくなります。
- 調査の目的(処分を検討しているのか、差止めや損害賠償を見据えているのか)を伝える
- 弁護士が関わっている場合は、弁護士が必要としている記録の内容を共有する
- 対象者の行動の傾向(出退勤の時間、移動の手段、立ち寄り先)がわかれば伝える
相談してみたいという段階でも、状況をお聞きしたうえで、流れと費用の目安をご説明します。
調査中のやり取り
調査が始まったあと、依頼する側がどのように関わるのか、どのような連絡が入るのかを知っておくと、調査の間の不安が減ります。
調査期間中の一般的なコミュニケーション

| 連絡の種類 | 内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 着手の連絡 | 調査を開始した旨と、初日の状況 | 調査の開始日 |
| 中間の報告 | 進み具合、現時点で確認できたこと、追加の情報の依頼 | 調査が複数日にわたる場合に随時 |
| 急ぎの連絡 | 重要な記録が得られた、対象者の行動が想定と違うなど | 必要に応じて随時 |
| 完了の連絡 | 調査が終わった旨と、報告書ができる時期 | 調査の最終日またはその翌日 |
調査中に依頼者がすべきこと・してはいけないこと

| すること | 避けたいこと |
|---|---|
| 対象者の状況に変化があれば、調査会社に伝える | 調査中に対象者や関係者に接触して様子を聞く |
| 弁護士と相談が必要な判断を、その都度確認する | 調査をしていることを社内で広く共有する |
| 連絡を受けられる体制にしておく | 調査の方法まで細かく指示する |
調査をしていることが対象者に伝わると、記録が消されたり、行動が変わったりすることがあります。情報は調査会社と担当の1〜2名の間にとどめ、社内への共有は調査が終わってからにしてください。
報告書受領とその後
報告書を受け取ったところで終わりではなく、そこから処分や手続きの検討が始まります。報告書をどう使うかで、かけた費用の意味が変わります。
報告書受領時の確認事項
- 調査を行った会社や担当者の情報が記載されているか
- 写真や映像に、日時や場所がわかる情報が付いているか
- 確認できた事実と、推測や伝聞が区別して書かれているか
- 適法な方法で調査したことがわかるか
- 誰が、いつ、どこで、何をしたかの流れが一貫しているか
報告書の法的手続きへの接続
| 目的 | 報告書の使い方 | 次に行うこと |
|---|---|---|
| 懲戒処分 | 行為があった事実を示す資料として使う | 弁護士に処分の重さが釣り合っているかを確認してから実施する |
| 差止めの申立て | 行為が続いていることなどを説明する資料として添える | 弁護士が資料の十分さを確認し、申立ての時期を決める |
| 損害賠償の請求 | 損害が生じていることや、行為との結びつきを説明する資料として添える | 損害額の算定とあわせて、弁護士が請求書や訴状を作成する |
| 刑事告訴 | 行為の内容を説明する資料として添える | 弁護士と告訴状を作成する。受理されるか、起訴されるかは保証されない |
いずれの手続きでも、報告書だけで結論が決まるものではありません。社内に残る記録とあわせて、弁護士に評価してもらってください。
まとめ
調査の依頼は、無料相談、契約と設計、調査の実施、報告書の受け取り、その後の手続きという流れで進みます。相談から報告書の受け取りまでは、事案の内容や調査の期間によって変わります。
- 無料相談:状況・目的・急ぐ事情・予算を伝え、調査の方向性と費用の目安を確認する
- 契約・設計:見積書の内訳、費用の上限、追加費用の条件、秘密保持を書面で確認する
- 調査の実施:対象者への接触と社内への共有は避け、追加の情報の提供と連絡への対応に専念する
- 報告書の受け取り:調査を行った会社の情報、日時や場所の記載、事実と推測の区別、適法性を確認する
- その後の手続き:報告書を弁護士と確認し、処分・差止め・損害賠償・刑事告訴のどれを検討するかを決める
まだ相談する前の段階でも、流れを把握したうえでご連絡いただくと、初回の相談をより具体的に進められます。
関連記事:法人が探偵・調査会社を選ぶときの完全ガイド|比較ポイントと失敗しない依頼の仕方
よくある質問(FAQ)
相談だけで費用はかかりますか?
初回の相談は無料です。状況をお聞きしたうえで、調査の方向性と概算の費用をお伝えします。
相談のあとに見積もりを確認していただき、依頼するかどうかを決めてください。相談だけで費用が発生することはありません。
相談の段階で、対象者の名前や詳しい情報を伝える必要がありますか?
初回の相談では、状況の概要をお伝えいただければ十分です。対象者の氏名や住所などは、依頼を決めて契約したあとにお伺いします。
まず状況だけ話して費用の目安を聞きたい、という相談でも構いません。
調査が始まったあとでキャンセルできますか?
調査を開始したあとの中止では、実施した分の費用が発生します。中止の条件と精算の方法は契約書に書かれているため、契約の前に確認してください。
着手の前の中止の取り扱いは会社によって異なります。気になる場合は、契約の前に確認しておくと安心です。
依頼から報告書の受け取りまで、どのくらいかかりますか?
事案によって異なります。1日で終わる行動調査であれば、調査のあと数営業日で報告書をお渡しできる場合があります。
期限が迫っている場合は、初回の相談のときに「いつまでに必要か」をお伝えください。対応できるかをその場でご説明します。
