【形だけの残業に要注意】不動産会社で増える「実態の伴わない残業」問題|探偵による人事調査の実例と再発防止策
「なぜか毎日終電近くまで残っている」
「残業申請は多いが、成果が上がっていない」
「本当に業務量が多いのか疑問がある」
不動産業界では、顧客対応・契約書作成・現地確認などで残業が発生しやすい一方で、実態の伴わない「不必要な残業」が問題になるケースも少なくありません。
残業代の不正受給はコスト面のダメージに留まらず、前代未聞の労務トラブルに発展するリスクもあります。
本記事では、不動産営業社員の不自然な残業について、探偵による人事調査で実態を確認した体験談をもとに、企業が取るべき対応と調査の有効性を解説します。
この記事はこんな方におすすめ
本記事は、不動産会社の経営者・人事担当者の方に向けた内容です。
特定の営業社員の残業時間が突出しているにもかかわらず成果が見合わず、適切に対応したいがパワハラ・労務トラブルのリスクが気になる方、また残業代コスト管理を強化したい総務・人事担当者にとって、実務的な参考になる内容をまとめています。
- 不動産会社の経営者・人事担当者
- 特定の営業社員だけ残業時間が突出している方
- 残業代の増加に対して成果が見合わない方
- 労務トラブルを未然に防ぎたい方
不動産業界で「不必要な残業」が起きやすい背景

不動産営業は裁量が大きく、外回り・直行直帰・書類作成など業務内容が可視化しにくい職種です。
そのため、残業実態が外部から分かりにくく、残業代の不正調達が潜在する構造的要因があります。
業務量ではなく「残っている時間」で評価される風土
「遅くまで残っている=頑張っている」と評価される組織文化がある場合、社員は実質的な成果よりも「残業時間」を意識するようになります。
その結果、日中の正味の業務が滞り、夜間の無駄な時間を「残業」として申請する恐れがあります。
日中の時間を私的に使い、夜に帳尻合わせの残業
外回り営業で日中に私用を挟んでも、午後に会社へ戻り「残業」として申請するケースがあります。
直行直帰利用者はとくに行動の把握が難しく、日中の時間の使い方が不透明なまま残業時間だけが積み上がりやすい構造です。
残業代目的の長時間滞在
成果報酬ではなく時間報酬制の場合、長く会社に滞在すること自体が目的になるケースがあります。
業務がなくても「出社履歴が残っている」ことで残業代を受給できる構造を利用する社員もいます。
不必要な残業の形態分類―実際に起きている主なパターン

「残業」とひと口に言っても、実際にはさまざまな形態があります。
以下に業界内で発生しやすい主なケースを整理します。
| 残業の形態 | 内容・発覚の難しさ |
|---|---|
| 残業中の私的スマホ操作・動画視聴 | 長時間デスクにいるが業務行為はほぼみられず、私的なスマートフォン操作・動画視聴が大半を占めるケース。表面上は「作業中」に見えるため発覚しにくい。 |
| 業務外外出後に会社へ戻り残業申請 | 業務とは無関係な外出後、退勤記録だけ残すために会社へ戻り残業代を受給する行為。日報と実際の外出先の矛盾が発覚のきっかけになることが多い。 |
| 日中の私用外出の夜間帳尻合わせ | 日中に私用を挟んで業務が大幅に遅れ、夜間に「残業」として帳尻合わせをするケース。高額残業の実態が走行距離データと矛盾することも。 |
| 業務外の雑談・飲食の「残業」申請 | 進行中の業務がなくても同僚との雑談・飲食等で時間を消費し、「会社にいた」という実績だけが残業代申請になるケース。 |
| 日報上の残業内容と実態の乖離 | 日報には「契約書作成」と記載されていても、実際にコンピュータ操作ログがないケース。システムログと日報の対照で発覚できる。 |
実際にあった相談事例

関東圏・不動産会社 人事責任者(40代男性)からの相談
営業社員Kは、毎月の残業時間が常に80時間前後と突出していました。
しかし、成約件数は平均以下、日中は外出が多いが具体的な報告が曖昧、他の営業社員は定時〜20時前後で業務を終えているという状況でした。
本人は「顧客対応が多い」「書類が終わらない」と説明していましたが、業務量と残業時間のバランスに明らかな違和感がありました。
感情的な指導や一方的な是正を避けるため、探偵による人事調査(行動調査)を実施しました。
調査は、勤務終了時間前後の行動を中心に、業務実態の確認を目的として行われました。
その結果、以下が判明しました。
- 定時後、長時間デスクにいるが業務行為はほぼ見られない
- 私的なスマートフォン操作・動画視聴が大半
- 業務とは無関係な外出後に会社へ戻り残業申請
- 日中に私用外出を挟んで夜に残業として帳尻合わせ
- 残業中の業務内容と日報の記載が一致していない
これらが、日時・行動内容を整理した客観的な記録として報告されました。
会社はこの報告書をもとに、本人への事実確認・業務指示の明確化・残業申請ルールの見直しを実施。
結果として、残業時間は大幅に減少しました。
※実例をもとに一部内容を変更して掲載しています。
不必要な残業を放置するリスク―労務・コスト両面の危機

形だけの残業を見逃すと、会社には以下のリスクが生じます。
| リスク種別 | 具体的な影響・不動産会社での特徴 |
|---|---|
| 不正な残業代支給によるコスト増 | 実質ゼロの業務時間に残業代を支払う状態が続くと、年間で馬鹿にならない額の損失になり得る。利益率が低い不動産業では特に影響が大きい。 |
| 他の社員との不公平感・士気低下 | 真面目に動いている社員が「残業代目的の輩がいる」と知れば不公平感が高まり、組織全体の助け合いが崩れるリスクがあります。 |
| 労基署対応・労務トラブル | 残業実態の把握不足があった場合、後日の未払い残業代請求・料金不払い訴訟に発展するリスクがあります。労働裁判では企業側が不利になりやすい側面も。 |
| 業務効率の低下・組織の歪み | 残業で評価される文化が続くと、地道に努力している社員の評価が低く扱われる構造的な問題が生まれます。正当な評価ができない組織になりかねません。 |
| 組織全体の規律崩壊 | 「形だけの残業で稼いでいる」と気づいた他の社員が同様の行動を取り始めるリスクがあります。一人の問題が組織全体のコンプライアンス意識を崩す危険性があります。 |
探偵による人事調査でできること

人事調査では、残業時間の長短ではなく、「その時間に何をしているか」を客観的に確認します。
以下の項目を整理し、指導・是正・制度見直しを合理的に判断できる材料を提供します。
| 調査項目 | 内容・目的 |
|---|---|
| 残業中の実際の行動 | 定時後のデスク作業の有無、スマホ操作・雑談・飲食など「業務外の行動」を日時付きで記録する。 |
| 業務との関連性の確認 | 資料作成・顧客対応・書類処理などの実務行為が実際に行われているかを確認し、日報内容と照合する。 |
| 常習性・再発性の有無 | 「1回限り」ではなく「継続的に行われている」ことを複数日の調査で立証する。指導・是正対象となる根拠を固める。 |
| 日報・申請内容との整合性 | 残業申請内容と実際の行動の矛盾を客観的に導き出す。「正当な指導」の法的根拠を整える。 |
| 私的行動の有無 | 業務外のスマホ操作・飲食・私用外出など、残業申請の実態と矛盾のある行動を客観的に記録する。 |
これにより、指導・是正・制度見直しを合理的に判断できるだけでなく、弁律リスクも最小化できます。
自社対応だけでは難しい理由
上司や人事が直接監視すると、パワハラ・不当監視と受け取られるリスクがあります。
また、証拠が曖昧なまま指導すれば、逆に労務トラブルに発展しかねません。
特に不動産業界は影響力の大きい社員も多く、対面で指摘することで裁判に発展することを恐れる経営者・人事担当者も少なくありません。
第三者である探偵の客観的な記録があればこそ、感情を排し、事実に基づいた適切な対応が可能になります。
証拠が揃った後の対応フロー

探偵調査によって証拠が収集できた後は、以下のステップで対応を進めることが一般的です。
弁護士の同席のもと、就業規則に基づいて進めることが重要です。
| ステップ | 対応内容 |
|---|---|
| STEP 1 | 報告書・行動記録をもとに弁護士同席のもとで当該社員へ事実を説明・確認する |
| STEP 2 | 業務指示の明確化(残業申請時の業務内容記載を必須化等) |
| STEP 3 | 是正指導・警告の実施(弁護士同席のもとで) |
| STEP 4 | 必要に応じて残業代の返還請求・法的手続きの検討 |
| STEP 5 | 残業申請ルール・評価制度の見直しと再発防止策の導入 |
再発防止のための対策
証拠収集による問題解決と並行して、以下の再発防止策を実施することで、将来的な労務リスクを大幅に軽減できます。
残業申請時の業務内容明確化
「残業しました」だけでなく、「何を、どれくらいやったか」を必須記載させる残業申請フォームを導入することで、残業内容の可視化が進み、「無駄な残業」の抑止効果にもなります。
成果・進捗ベースの評価制度の導入
「長く残っている=頑張っている」という評価軸を改め、実際の進捗や契約数・客先対応内容で評価する体制を導入することで、残業代目的の滞在を抑制できます。
残業承認フローの厳格化
残業は「申請するだけ」で承認されるのではなく、事前に上司の承認を必須とするフローを導入することで、業務上必要な残業と不要な残業を分類できます。
定期的な業務棚卸ろしと進捗共有
週次・月次の進捗報告を導入することで、業務量と残業時間の乖離を早期に発見できます。
「残業前に上司と共有する」文化が形成されることで、不必要な残業の抑止効果が高まります。
よくあるご質問(FAQ)
調査は本人にバレませんか?
完全に水面下で行うため、対象者に知られることはありません。
社員に気づかれることなく、残業中の実際の行動を客観的に記録できます。
残業が多いだけでも調査できますか?
はい。労務リスクの事前確認として依頼されるケースが多いです。
問題が小さいうちに動くことが、大きな労務トラブルを防ぎます。
調査結果は指導の根拠になりますか?
客観的資料として、人事指導や制度見直しに活用できます。
不当解雇リスクを最小化した事後的対応を弁護士と連携して進める際の強固な根拠となります。
調査費用・期間は?
調査内容により異なりますが、数日~数週間で完了するケースが多い傾向です。
まずは詳細をお会いして最適なプランをご提案します。
残業の違和感は、早めの事実確認が重要
「忙しいだけだろう」「営業だから仕方ない」――その判断が、後に大きな労務トラブルを招くこともあります。
証拠のある客観的な記録があればこそ、問題のある社員に対しても対等な立場で指導・対話ができます。
光武商事株式会社では、不動産会社向けの人事調査・行動調査を適法に実施しています。
調査から再発防止支援まで一貫対応。匿名での事前相談も可能です。
